我が家は年末に日本に帰ってきてから、炊飯器を持たずに長谷園のかまどさん(3合炊き)を使ってご飯を炊いています。
友人実家の美味しい新潟のお米を購入し、贅沢に毎日土鍋で炊いているのですが、炊き立てのツヤツヤご飯が本当に美味しくて美味しくて、ついつい食べすぎてしまうというリスクがあるほどです。
今回の記事では、お米好きの方には是非おすすめしたい!長谷園の伊賀土鍋かまどさんを約半年間使ってみて感じたメリット・デメリットについてレビューします。
長谷園(ながたにえん)のかまどさんのセット内容
長谷園の炊飯土鍋かまどさん3合のセット内容は下記の通りです。
- かまどさん(本体)
- 中ふた
- 上ふた
- 宮島杓子
- 敷板
- 取り扱い説明書
かまどさんが届いたら、まずは目止めを行う!
実は、かまどさんが届いてもすぐに炊飯することができません。
よく洗ってしっかりと乾燥させ、かまどさんがきちんと乾いたら、まずは目止めのためにお粥を炊きます。
目止めとは?
目止めとは、土鍋を使い始める前にお粥を炊いて表面をコーティングする作業のことです。
蓄熱性の高い粗土を使っている伊賀土鍋は、使いはじめにお粥を炊くことで米のデンプンが土鍋の細かい気孔を埋めて水漏れを防いでくれます。
- 土鍋を水洗いして水分を拭きとり、底面を上にして自然乾燥させる
- 乾いた土鍋に8分目くらいまでの水とお茶碗1杯分の残りご飯(3合炊きの場合)を入れて、ごはんをほぐすように混ぜる
- 上ふたをして弱火で火にかける(中ふたは不要)
- 沸騰してきたら吹きこぼれないように上ふたをずらしてお粥を炊く
- お粥が炊き上がったら、火を止めて土鍋を十分に冷ます(1時間以上)
- 土鍋が冷めたら、お粥を取り除いてしっかりと水洗いをする
長谷園の伊賀土鍋|かまどさんの正しい使い方
かまどさんを使った美味しいご飯の炊き方と炊く際のコツをご紹介します。
かまどさんを使った美味しいご飯の炊き方
1、お米を洗って浸水させる
お米を洗ってザルでしっかりと水切りをし、分量の水に20分以上浸水させます。
土鍋に直接お米とお水を入れて浸水させてもOKですが、30分以上浸水させる場合は土鍋が目詰まりする原因になるため、別のボウルを使ってください。
お米の水切りをするときのザルはパンチングよりメッシュタイプがおすすめで、お米が落ちないよう14〜16メッシュあたりを選ぶと間違いないですよ!
2、ふたをセットする
お米が浸水できたら、中ふたと上ふたの穴の位置が垂直になるようにセットします。
穴を直角にすることにより吹きこぼれを防ぎ、お米にほどよい圧力がかかることでご飯が美味しく炊けます。
3、炊く
土鍋を火にかけ、ガス火を中強火(強めの中火)にして炊きます。
火加減の目安は土鍋の底の釉薬のかかっていない白い部分の約半分の高さまで炎が達する程度です。
加熱時間の目安は下記の表の通りです。
お米の量 | 1合 | 1合半 | 2合 | 3合 |
浸水する水の量 | 200ml | 300ml | 400ml | 500ml |
加熱時間 | 中火9〜11分 | 中強火10〜12分 | 中強火10〜12分 | 中強火11〜14分 |
火を止める目安 | 勢いよく蒸気が出たとき | 勢いよく蒸気が出たとき | 勢いよく蒸気が出て30秒後 | 勢いよく蒸気が出て1分後 |
参照:かまどさん炊飯目安早見表
加熱時間は土鍋のサイズや米の量、種類(白米・玄米・炊き込みご飯)、また気温によっても若干異なりますので、火を止める目安を参考にしてくださいね!
また、加熱時間を1分程度延ばすと、香ばしいおこげを作ることもできます。
2合のお米を炊く場合、上ふたの穴から勢いよく蒸気が噴き出てきて約30秒後が火を止める合図です。
4、蒸らす
上ふたの穴から勢いよく蒸気が出たのを確認したら、火を止めてそのまま20分蒸らします。
勢いよく蒸気が出るというのが最初はよく分からずに戸惑いましたが、炊飯していくうちに必ずコツを掴んでくるので、何度かやりながらベストなタイミングを見つけましょう!
キッチンタイマーをかけるのも是非お忘れなく!
ドリテックの大画面タイマーは3段階で時間設定ができるおすすめのタイマーです。
30分、15分、30秒などの細かい時間をパパッと設定しやすい点が本当に使いやすく、気づけば10年近く愛用しています。
さて20分たったら、長谷園の刻印がかわいい宮島杓子を使って軽く混ぜてみましょう!
じゃじゃーーん!ツヤツヤのご飯が炊けました。
米粒ひとつひとつが立っていて、本当に美味しそうにふっくらと炊けています。
ガス火で炊いた土鍋ご飯はお米の芯までふっくらと火が通っていて冷めても硬くなりにくいのが特徴で、おにぎりやお弁当にもおすすめです。
もちろん、たくさん炊いて冷凍保存をしても美味しくいただけますよ。
冷凍保存容器は、解凍してもベチャッとならないマーナの冷凍ご飯容器がおすすめ!
かまどさんのお手入れ方法
かまどさん使用後は汚れを中性洗剤で落として洗い、水を含みやすい底面を上にして、風通しのいい所で十分に乾かします。
乾燥が不十分だと目詰まりやカビの原因になったり、底面が濡れたまま火にかけるとひび割れの恐れがあるので、しっかり乾燥させてあげることがとても大切です。
目詰まりした場合やにおいが気になる時は、重曹を使う!
土鍋は長時間そのままにしていたり、水に漬けっぱなしにして乾燥が不十分になると目詰まりすることがあり、お米のデンプンが炭化して茶色っぽいごはんが炊けるなど美味しいご飯が炊けない原因になります。
目詰まりした場合の対処法は、土鍋の8分目まで水を入れて重曹小さじ1程度を加えて約10分煮立て、天日干しをして十分乾燥させます。
カビなどの匂いが気になる時も同様です。
重曹を使った後は、もう一度お粥を炊いて目止めをしましょう!
かまどさん(土鍋)を取り扱う際の注意点
- 火にかける前に必ず乾燥させる(ひび割れの原因)
- 使用後の熱い土鍋は急冷しない(割れる危険がある)
- 揚げ物には使用しない
- IHでは使用しない
- 調理直後の土鍋はテーブルに直接置かず、付属の敷板などを使う
- 加熱中や加熱直後は土鍋が高温になるため、やけどに注意する
- 土鍋は長時間漬け置きしない(目詰まりやカビの原因)
長谷園かまどさんのメリット・デメリット
約半年間かまどさんをほぼ毎日使ってみて感じたメリットと若干のデメリットについてご紹介します。
かまどさんのメリット
かまどさんの最大のメリットは全く火加減が必要ないことで、お米の浸水時間、炊飯時間、蒸らし時間を合わせて1時間以内にふっくらツヤツヤのご飯が誰でも簡単に炊ける優れものです。
1、火加減いらずで、失敗しにくい
炊飯に最適な厚みと構造をしているかまどさんは、火加減をする必要が全くありません。
はじめチョロチョロ、中パッパの火加減を伊賀の粗土の蓄熱作用と肉厚な本体と二重ふたの保温効果を利用して、かまどさん自身が勝手に行なってくれます。
火を止めた後も内部温度はほとんど下がらずに、沸騰を維持させながら徐々に蒸らしに入るため、失敗することなく誰でも簡単に美味しいごはんが炊けるという訳です。
かまどさんで炊いたご飯がふっくら美味しい秘密は、伊賀の粗土とその構造にあります!
2、二重のふたで圧力釜の機能を果たし、吹きこぼれにくい
二重のフタが圧力釜の機能を果たしてくれるため、短時間で炊飯することができます。
また、二重のフタのおかげで吹きこぼれの心配もなく、コンロの後片付けも簡単です。
3、お米の芯まで熱が通り、ふっくら美味しいご飯が炊き上がる
遠赤外線効果の高い釉薬を使っているので、お米の芯までしっかりと火が通りふっくらとしたご飯が炊き上がります。
土鍋で炊いたごはんは冷めても硬くなりにくいので、お弁当にもおすすめです。
4、香ばしいおこげもおこげも作れる
炊き上げ時間を1分程度のばすことで、お好みでおこげを作ることができます。
また、炊き込みご飯や玄米、雑穀米なども美味しく炊けます。
|
5、土鍋が呼吸をして、ご飯がべたつかない
三重県伊賀市で産出する粗土を使用している土鍋は、木のおひつのように呼吸をし、蒸らした後もご飯がべたつきません。
6、炊飯器と比べて、早く炊けてお手入れがラク!
炊飯時間は蒸らしを入れても30分ちょっとなので、電気の炊飯器に比べて短時間で炊くことができます。
また、構造がシンプルでパーツはたったの3つなので、お手入れも簡単です。
かまどさんのデメリット
いい所だらけの長谷園のかまどさんですが、使ってみて感じた若干のデメリットもありました。
1、小バーナーでは炊飯できない
3口コンロの奥にある小バーナーでは火力が足りずに、うまく炊飯することができません。
手前のバーナー1口を炊飯に使用するため、作り置きを活用したり、グリルを使うなどお料理の段取りをきちんと考えておく必要があります。
2、三合炊きの土鍋でもサイズ感は大きくて、やや重たい
我が家は60cm幅の3口コンロを使用していますが、3合炊きの土鍋をコンロにかけると案外大きくて圧迫感があります。
左の写真のように直径18cmくらいのお鍋なら特に問題ないですが、右の写真のような直径30cmくらいの深めフライパンを置くとかなりギリギリです。
3、鍋底が濡れたまま火にかけられない
土鍋の底面に水気が残ったまま火にかけるとカビやひび割れの原因になるため、使用前は必ずしっかり乾燥させなければならず、乾かすためのスペースが必要なのも若干のデメリットといえます。
乾かす時は水分を十分に拭き取ってから、水分を含みやすい鍋底を上にします。
続けて使う際はあまり鍋底をあまり濡らさないようにして洗うといいかもしれませんね!
4、欠けやすいので、慎重に扱わなければならない
かまどさんは美味しいご飯を炊くために欠かせない伊賀の粗土を高温で焼いているため、コツンとぶつけるなどのちょっとした衝撃で欠けやすいという欠点があります。
なるべく割れないように慎重に扱っていますが、それでも万が一割れてしまったらパーツでの購入が可能です。
長谷園かまどさんの種類
長谷園の伊賀焼き土鍋かまどさんは、一合炊き、二合炊き、三合炊き、五合炊きの4種類のサイズ展開です。
ご家庭の人数やコンロ状況に合わせて、ぴったりサイズを選んでみてください。
サイズ | 一合炊き | 二合炊き | 三合炊き | 五合炊き |
炊飯可能な分量 | 半合〜1合 | 1合〜2合 | 1合〜3合 | 3合〜5合 |
土鍋の重さ | 2kg | 3kg | 3.5kg | 5kg |
例えば、一人暮らしだけどご飯は毎食炊き立てがいい!という方には半合から炊飯できる一合炊きがおすすめです。
一般家庭では、二合炊き(1〜2人用)や三合炊き(2〜4人用)がサイズ感や重さなどを考えても使いやすいと思います。
我が家はコンロの広さと使い勝手を考えて三合炊きを購入しましたが、コンロを広々と使える前提で、食べ盛りのお子さんがいる家庭や一緒に食事をするご家族の多い方、たくさん炊いて冷凍したい場合などは五合炊きを選んでもいいですね!
新しく開発された『かまどさん電気』
土鍋のかまどさんはガス火専用ですが、IHのご家庭やガス台が狭い場合も手軽に使えるようにと画期的な炊飯土鍋『かまどさん電気』が開発されました。
かまどさん電気は火を使わないのにまるでガス火で炊いたような土鍋ごはんを再現した全自動炊飯土鍋で、炊飯ボタンひとつで直火のかまどさん同様の美味しいご飯が炊けると人気がありますよ!
まとめ|お米好きなら、とにかくおすすめな伊賀土鍋かまどさん!
メリットデメリットなどについて長々とレビューしましたが、半年間ほぼ毎日使ってみた率直な感想は、かまどさんを本当に購入して良かったなぁと思っています。
炊き立てのご飯が美味しいと家庭がパッと明るくなりますし、家族の会話も自然と膨らみます。
何より、シンプルなおかずでも本当に贅沢に感じるのが不思議です。
お米好きの皆さんは、長谷園のかまどさんを使ってもっともっと美味しいお米時間を楽しんでみてくださいね。
ごはん以外にも、土鍋の蓄熱効果を利用した煮込み料理にもおすすめです!